55-5-7(オポジションの研究3 12/2)



 さて、55-5-5で出た疑問に関して、O君が画像ともどもメイルを送ってくれた。僕は 「間接オポジションはなぜ“見合って”いるとされるのだろう?」と聞いたのであった。  それに対するO君の答えはこうである。
「間接オポジションは別名,長方形オポジション(rectangular opposition)とも言う そうです。つまり,両キングが長方形の対角に位置している関係です。これが正方形な ら,対角線オポジションです」
 早速、画像(図6)を見てみよう。


図6
 これは(4,2)の間接オポジション。確かに長方形の対角にキングが位置しあう形に なっている。さらにO君の解説は続く。下の図7を見ながら読んでいただきたい。 「白キングに対し,黒キングがオポジションを取る位置をドットで示しています。つま り,16のマス目が関係してくるわけです。この16を,すべてAとします」

図7

図8
「以下,a2に位置した白キングを<b2,a1,b1>と,一つずらしながら同様に黒のオポ ジションの位置を考えると,ドットでボードは埋まります(16×4)。つまり,4通りの オポジションのパターンが考えられるわけです。このパターンを,最初のAに続いて B,C,Dとしていけば,図8になります」
 なるほど、白キングを盤面の端で四マス分だけ移動させると、全盤面に黒キングのオポ ジション位置が生じるのである。そしてO君は“この図8がつまり、55-5-6の図4(下にも う一度示した)の基本であり、『オポジションになる「シスタースクエア」の一般的なパ ターン、a〜dの4つのグループ』”だという。  ところが、訳した通り、これは『実際は、限られた範囲の話で、この理論的パターンは ポーンの位置によって変わってくる』。キングのみが残った盤面においては“a〜dの4つ のグループ”として単純に計算出来るが、実際はポーンが幾つかキングと同時に残る。し たがって、計算が変わってくるのだ。  だからこそ、図4では“a〜dの4つのグループ”にさらにくわしい区分が出来ている。  僕の疑問のもうひとつ、“『白キングが他のA上(たとえばc4)にいる場合は、ツークツ ワンクにはならない』のはなぜか”はこれで解けるらしい。ポーンがいる以上、計算は 微妙に変わり、図4でA2に位置する白キングは、a、a1に位置する黒キングとはオポジ ションにならないとされるのだ。ポーンの位置次第で同じ“A”の中に細かな区分が生じ るのである。  下図の通りだ。

図4

 上図において、記号のついていない筋は横に二つ、縦にひとつ(ただ、gのファイルに はA3、a3の二マスが混入しているが)。これがポーンの最終ラインに関係していること は確かである。
 だが、やはり根本的にわからないことがある。  黒キングを囲んだ罫線は何をあらわすのか?  つまり、大文字は白キングの移動可能性をあらわすはずで、ならばなぜ黒キングの小文 字の範囲はかくも小さいのか?  このことを素人ながら考えてみよう。


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